テーマ49 上司が指示する “いつまでに” が部下の仕事の水準を上げる
■管理職者は、確固たる姿勢をもって、
「いつまでに」を決め、厳格に運用する
目標を「いつまでに行うのか」、期限を決めることが管理職者として、
非常に重要な仕事となります。
「だれが、なにを、いつまでに」の中で、一番重要なのは、
「いつまでに」です。それが決まると、
「だれが」、「なにを」も決めざるを得なくなります。
例えば、今、何も決まっていなくても、
「何月何日までに、新しい商品の企画をつくる」
という目標達成の日付を設定すると、
設定した日付までに目標を達成するために、
まず「最近の市場の情報収集を行う」という
「なにを」が決まります。
そうすると、それは、「いつまでに」、「だれが」行うのか、
そして、収集した情報の結果に基づいて、
「いつまでに」、「だれが」、「商品企画の原案を作成する」
のかなど、種々のスケジュールが決まってきます。
このように、確固たる姿勢をもって、「いつまでに」を決めること、
そして厳格に運用し、いつまでを部下に守らせることが、
管理職としての重要な仕事となります。
■いつまでにが部下の仕事の水準を上げ、部下を成長させる
部下の方は、上司から指示された最終期限の「いつまでに」
を守るため仕事のスケジュールを決めます。
その際に、部下の方には、最終期限の「いつまでに」
を達成するために、仕事の進捗に応じて、上司の確認が必要な、
「小さな単位のいつまでに」も決めてもらいます。
上司である自分は、あらかじめ、
どのタイミング(小さな単位のいつまでに)で、
部下の仕事をどうチェックするとよいのか、
その時に部下にどのようなアウトプットを
提出してもらうのかを決めておきます。
部下が作成した仕事のスケジュールと
自分が決めておいたチェックのタイミングを勘案して、
最適な「小さな単位のいつまでに」を
部下と相談し、部下が納得するように設定します。
「小さな単位のいつまでに」の時に、
上司は、部下の仕事の進捗状況や品質面のチェック、
部下の職務能力向上のための助言、
部下のモチベーションの維持・向上のための声掛けなど、
部下育成上、種々の施策を講じることができます。
また、「小さな単位のいつまでに」を適確に行うことにより、
部下の仕事の間違いを早くみつけ対処することができます。
時には、新たなビジネスチャンスを発見することもあります。
このように、「小さな単位のいつまでに」や
「最終期限のいつまでに」を厳格に適確に運用すると、
品質や生産性の向上、部下の仕事への取組姿勢など
いろいろな面での部下の仕事の水準を上げることができ、
部下の育成に非常に効果的なものとなります。
部下の仕事のいつまでにを、厳格に運用できる上司は、
部下がよく育つという事実があります。
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